消費者の王国、日本は素晴らしい。手に取る商品はどれもきれいで完璧だし、サービスは快適だし、単純に素晴らしいと思う。その「行き届き」の水準は世界中どこにもないもので、すてきです。日本に帰るたびに、日本は素晴らしいとつぶやき、日本人でよかったと感謝しますよ。
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だたね、その消費者の王国はみんなで作った王国であって、王国の王様気分を味わう人と、王国の僕(しもべ)は同じ人なんだよね。
ディズニーランドとは違う。あそこは、お客様が王様気分を味わい、ディズニーランドの従業員があなたに尽くしてくれる。でも、なんだか、消費者の王国とディズニーランドを混同している人がたくさんいる気がするんです。
すべての製品、すべてのサービスが、誰かによって完璧なものとして提供されているべき、国が、役所が、企業が、誰かが完璧なしっかり仕組みを動かしているべき。マスコミもそれに乗っかって、もっと国がしっかりしてなくてはいけない、もっと企業は責任を持たなければならないと書き立てます。そしていろんな不都合や理不尽を国の、役所の、企業の、自分じゃない誰かのせいにする。
それじゃもう、回らない時代になっていると思わない?王国は広がりすぎて、以前のようにすべてをお金で解決することはもうかなわないし、王国の進歩も早くて、誰かが「しっかりとした仕組み」を作るのをいちいち待ってはいられないし。
すっきりした結論があるわけじゃないけど、王国のお客様気分で生活し続けるのは無責任だし、それはまた今の時代を生き延びるにはリスクでもあるんじゃない? 僕らは王国の王様であって、同時に僕(しもべ)。ディズニーランドのお客様とは違うんだよね。
だからディズニーランドは、現実ではない、という意味でも「夢の国」なわけでさ。
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